「わーキレイだね!」 刹は窓から景色を見ていた。 「ここの観覧車は結構大きいからね。景色がキレイだよ。」 観覧車へは4人で乗った。 栄多は正面に亮介が座っていて視線が合うと恥ずかしいのでずっと窓の方を見ていた。 しかし、亮介の隣に刹が座っているのは悲しかった。
俺って最低だ・・・。
刹に黙って亮介と付き合ってそれでも満足せず、刹が亮介と一緒にいるのを見て嫉妬している。 そんな自分が嫌で栄多は自らを非難した。
それから4人は適当に昼を済ませ、映画館やゲームセンターに行ったりなどして過ごした。
「あ―今日は楽しかったね!」 家に帰ると刹はソファーに勢いよく座った。 「兄貴、疲れただろ?今日は俺が夕飯作るよ。」 「え?いいよ、栄多。作るの好きだし。」 「いいから座っててよ。」 「・・・わかった。」 栄多の中には刹が亮介を好きなのを知っていて奪ってしまったと罪悪感があった。 だから何かをしてそのことを少しでも長く忘れていたかった。
ずっと黙ってなんかいられないけど兄貴になんて言えばいいんだよ・・・。
亮介に想いを伝える前なら良かった。 お互いライバルとしてどちらかが付き合うことになっても刹も自分もあまり傷つかずにいられるだろうと思っていた。 しかし、亮介と付き合うことになった今ではそうはいかない。 栄多は表向き刹の応援をしているフリをして裏では亮介と付き合っていたということになる。 これではバレた時、刹をどれだけ傷つけてしまうかと栄多は怖くて仕方なかった。 「栄多!」 「・・・何?」 いつの間にか刹が台所の方へ来ていた。 「ぼーっとしてると危ないよ。」 「え?俺ぼーっとしてた?」 「目がずっと一点だけ見てたよ。それじゃ指切るって。」 「ごめん、考え事してたから・・・。」 栄多は切りかけていた野菜をまた切りにかかる。 「最近の栄多何か変だよ。悩み事あるなら俺、聞くよ。」 「大丈夫だよ。ちょっと勉強が難しくて悩んでただけ。」 栄多は大丈夫だと笑ってみせる。 「そう?ならいいんだけど。1人で溜め込まないでよ。」 そう言うと刹はソファーへと戻っていった。
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 テーマ:自作BL連載小説 - ジャンル:小説・文学
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