名前も知らない君へ・・・ (104話)
2009.07.04 Sat
あれから季早と雅司の関係は徐々に回復していた。
父が言ったように家から離れて二人で住むというのはただの逃げでしかない。だからこの問題は季早自身が自力で解決していった。それを博夢は黙って見守ってきた。
「でも、よかったね。」
「・・・うん。」
二人で今来たメールをもう一度見る。
今ではこんなメールが来る程に二人の関係はよくなっている。その事実が自分の事のように嬉しかった。
「ありがとう。」
携帯画面を愛おしそうに見つめていると隣から声が聞こえてきた。顔を向けると吸い込まれそうなくらいじっと見つめられ、ドキドキしてしまう。
「・・・どうした、の?」
問い掛けると季早は答える事なく顔を近づけてきた。
「さ・・キト・・・!」
呆気に取られてどうする事もできない内に鼻先がくっつく程に近づいて止まる。
その先を予想して咄嗟に目を閉じていた博夢はいつまで経っても何も起こらない事を不思議に思い、そっと目を開ける。
「・・・!」
目を開けて視界に入ったのは自分の姿を映した季早の瞳だけで息を呑む。目の前に見える自分の顔は驚いていて、不安げで真っ赤だった。
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父が言ったように家から離れて二人で住むというのはただの逃げでしかない。だからこの問題は季早自身が自力で解決していった。それを博夢は黙って見守ってきた。
「でも、よかったね。」
「・・・うん。」
二人で今来たメールをもう一度見る。
今ではこんなメールが来る程に二人の関係はよくなっている。その事実が自分の事のように嬉しかった。
「ありがとう。」
携帯画面を愛おしそうに見つめていると隣から声が聞こえてきた。顔を向けると吸い込まれそうなくらいじっと見つめられ、ドキドキしてしまう。
「・・・どうした、の?」
問い掛けると季早は答える事なく顔を近づけてきた。
「さ・・キト・・・!」
呆気に取られてどうする事もできない内に鼻先がくっつく程に近づいて止まる。
その先を予想して咄嗟に目を閉じていた博夢はいつまで経っても何も起こらない事を不思議に思い、そっと目を開ける。
「・・・!」
目を開けて視界に入ったのは自分の姿を映した季早の瞳だけで息を呑む。目の前に見える自分の顔は驚いていて、不安げで真っ赤だった。
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